喉の「超回復」はできるのか?〜私の体験談を書きます〜

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前回までの記事で高い声にフォーカスして色々な角度からお伝えして来ました。
参考までに記事名とアクセス先を載せさせていただきます。

絶叫アトラクションから学ぶ高い声の出し方
オススメのオードソックスな高い声の出し方・練習方法
高い声が出ない方は大きな声で叫ぶように出してみましょう!

さて今回についても惜しみなくお伝えしていきます。
といっても今回は出し方、というよりもよくある俗説、アフターケアについてです。
つまり、高い声を出した延長線とも言える「練習後」のお話です。

それについて私の意見といったイメージで聞いてくださると良いかと思います。

皆さんは「超回復」という言葉をご存知でしょうか。

簡単に説明させていただくと、トレーニングすることで起こり得る筋繊維の損傷や疲労が体力の低下を及ぼすとともに適切な休息を取ることで、
筋肥大や筋力アップにつながるというスポーツ科学理論の一つです。

喉においても限界までトレーニングしていけば同じことが起こるのか・・・?というのが今回の話題です。
細やかな理論などについては次回以降にお話しするとして、今回はまず、私の体験談からお話ししていきます。
正しい理論を知った後に書くと、私の実体験が歪んだ形で伝わるかもしれないからです。
すなわち、自己責任の元で私個人が試してみた体験の感想ということですね!(危ないかもよ!)

結論からお伝えしますと、超回復が「起こったようには感じる」が私の考えです。
曖昧な表現なので「起こった」「ように感じる」この2つを分割して説明させていただきます。
まずは超回復が「起こった」という状態についてです。
それはつまり、高い声が出やすくなる、ということですね。

例えば、カラオケなど練習する時に自分にとって高い(しんどい)と感じるキーの歌の練習をわざと長時間歌うことで喉を酷使します。
頑張って多少は張り上げて出していると喉周りの筋肉が硬くなったり、声が枯れたりするのを感じます。

その翌日〜2,3日くらいは喉周りが若干疲れたような、熱っぽさが残っているような感じですね。
不意に声を出そうとすると、声量が少ないとかすれ声が先に出そうになったりする感じです。

そして、その状態のまま前日と同じ曲を歌おうとすると、前日は高い声を出すのがしんどく感じたキーの音が、いざ歌おうとするとなぜかしんどさをそこまで感じずに出せたりするのです。

ということは、実際に超回復が起こっているのでは??という思われてしまいがちなのですが、実はそうではないのが次の「ように感じる」の部分です。

喉周りの筋肉が鍛えられた分、今まで出すのが辛かったキーのが出やすくなると同時に、自分の出せる最高音も広がっていくはずだ・・・!と私は思っていました。

しかし、出すのが楽になったキー以上の高い音も軽々と出せるようになった、という訳ではありませんでした。
やっぱり出ないキーは上手く出ないままで、要するに喉を潰すことで最高音域も広がった訳ではない、ということです。

例えるなら、ダンベルで3kgを何回も腕を鍛え続けていたら、3kgはもちろんだんだん重たさ(負荷)を増やしていって、
さらに重たい物もトレーニングに使えるようなっていきますが、そのようなイメージではなかったということです。

すでに高い声というのは限界地点に近くて、そこを延長して引き上げるのは筋トレだけで済むような単純な原理ではないということですね。

以上のことをまとめると、喉の超回復については半分正解で、もう半分は正しくないような感じがする、というのが私の中での答えです。
結果的に疲労しやすい発声のクセがつくことも考えられるので、わざと喉を潰しにいくような喉の酷使をするのはおすすめができないかな、というのが正直なところです。

具体的には、無理やり声をがなってみたり、声帯に息を思いっきりぶつけるように歌う(キンキンするような音)などですね。
それが個性や声としての良さとして感じるという意見は私自身も共感はできるところはありますので、それ自体の否定はしません。
ただ、行う目的が高音域を広げるため、というのであるなら、故意に無理やり出し続けて休息を置いて・・・という練習方法ですとあまり思ったような結果は得られないかもしれません。

一方で、高音が出やすくなるという実感を私は感じられましたので、喉を潰すように歌うというよりは、
高くてしんどいキーを継続して何回も出すという「負荷に慣れる」という点では効果は十分にあります。

まだ現状では私の体験談にとどまっていますが、
そもそも超回復って本当なの?という真相もありますので、今後の記事では理論的なところや鍛え方に近づいてお伝えしていきたいと思います。
少し高音に着目することが多かったので、次回は女声の練習方法の一部についてご紹介させていただきます!

≪ 今回のまとめ ≫
✴︎ 喉の超回復についての筆者個人の感想
✴︎ 超回復は”起こった””ように感じる”
→今まで出すのがしんどかったキーが出やすくなった!
→しかしながら、最高音域も広がるという訳ではなかった、、
✴︎ 故意的に喉を潰すのではなく、高い声を沢山出すというトレーニング効果はあり