以前、声変わりしていても女声を出すことはできますとお話しました。
声変わりと同じくらい、多く質問いただくことがあります。
”地声が低くても出せるの？”という疑問です
声変わりのことと似ているようで実は少し異なります。
なぜなら、声変わりの記事でも書いたように、
男性の声変わりの仕方には、以下の２パターンが存在するためです。
(1) 一気に短期間で声が低くなるパターン・・・地声は普通〜やや低い
(2) 緩やかに低くなって行くパターン・・・地声が高め
(1)は一般的な男性の声変わりです。
中学生夏休み中に声が急に低くなって、周りの友達から「どうした？？！」と言われるパターンですね。笑
問題は(2)の緩やかに下がって行くパターン です。
これは芸能人で例をあげるとお笑いの安田大サーカスのクロちゃんです。
今でこそ、あの方の声は一般男性と同じくらいの高さに聞こえることもありますが、デビューして間もない頃は、怖目な見た目に反して声がとても可愛いことをネタにするくらい声が高く、まさかまさかの本人が目指していたのは芸人ではなく、”アイドル”だったというのです。
そして、ある番組内で自身の声変わりについて質問をされていたことがありました。
その時に彼が答えていたのは、「声変わりしていない訳ではないが、何段階かに分けて徐々に低くなっている。今の（高い声も）声変わりして低くなった方です」と。
これは極端な例なのですが、あなたの知っている中でも成人しているのに割と話し声が高い男性で思い当たる人、きっといるのではないでしょうか。
つまり、声変わりしていたとしても、音の高さを注意深く聞くと、女性の声と同じくらい高い声で話している男性も十分にいるのです。
さらに一方で、純粋な女性の中にも男性と同じくらい低い地声の人も普通にいます。
このように書きますと、声変わりしても女声が出せる人は、クロちゃんのように声変わりで一気に声が低くなっていない、または、大人になっても声がある程度高い人たちなのでは？それでも声変わり自体はしてるんだし。と思ってしまうかもしれません。
だからこそ、私が言いたいことは
(2)の方はもちろん(1)の方の様に一気に声が低くなった方でも女声は出すことができる、
ということなのです。
実は、所属事務所の企画の中で、単音（「あー」という一つの音）でメンバー自身の限界まで音程を高く出した声と、限界まで低い声で出した時の、最高音と最低音の音域調査をしたことがあります。
その結果なのですが、なんと私が一番低い声を出すことができたのです。
他のメンバーも、自身の地声を出しながら低い声で出し合っているので、一般的な男性の声の低さよりも低いレベルかもしれません。
私自身も元々の声は決して高い方ではなく、どちらかというと低い方なのです。
要するに、ゆっくり声が低くなって声変わりしている、地声の高めな方（1）のパターンの人だけでなく、地声が既に低くなっている方であってもやり方を掴むことができれば女声は出すことができます。
前回の記事でもお伝えしている通り、声の（周波数）高さだけで女性、男性に聞こえるかは決まらない、という内容にも繋がってきますね。
以上までの内容でお気づきな方もいらっしゃると思いますが、女声に聞こえるためには声の高さ低さ以外にも他にも要因があるのです。
では、それはなにか？といった事についてももちろん今後の記事で触れて行きますよ。
お楽しみに。
≪ 今回のまとめ ≫
✴︎ 声変わりには2種類のパターンがある
✴︎ 地声が低くなってしまった方でも問題ありません