地声を高くすることと、女性っぽくすることは分けて考える

Home / ブログ / 地声を高くすることと、女性っぽくすることは分けて考える

今までの記事の練習方法の中で、高い地声を出すことについて色々とお伝えをしてきました。
今回は練習への取り組み方にあたって注意していただきたいことをお伝えしていきたいと思います。

早速お伝えしていきましょう。

それは何かというと、「女性っぽく出そうとはしないこと」です。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、これが注意点です。
んん?と思った方も是非最後まで読んでみてください。

まずはじめに、この注意点はまだ女声が思うように出せないという方向けの注意点です。
そういった方の多くは、地声練習時にどうしても真正面から自分の思う”女っぽさ”を出そうとしてしまう方がいます。

さも自分以外の人がそうだ、という言い方ですが、実は私自身がそうでした。笑

そしてそれが上手くいかない原因でもあったのです。

「女性の声を出そうとしているのになぜそれがだめなの?」と思われるかもしれません。

その通りです。一見正反対のことを言っているんじゃないか、と思われてしまうかもしれません。

でも、それは意識すべきポイントになってきます。
その理由としては、以下のような切り分けが必要になるためです。

・女声を出すことはあくまで最終目標であるということ
・声変わりした男性がいきなり今のありのままの声で女声を出すのは難しいということ

後者については例外はもちろんありますがほとんどの場合は当てはまります。
そして、それらを踏まえると最終到達したい目標のために段階を分けて考えるべきだということです。

その点で言えば、高い地声を出すという最初の練習段階での目的は、声を女性っぽくするというためではありません。
段階としてまだそこには到達していないと思っていただくと正確です。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
これは、過去記事:オススメのオードソックスな高い声の出し方・練習方法
でお伝えをした内容と似たような内容となっています。

高い声の時のように、女声においてもそれを意識をしすぎるとかえってできなくなるということが起こります。

これは、女声や高い声だけではなく他の様々なことにおいても、
自分のイメージだけを頼りに身体を動かしても上手くいかないことはあるはずです。

例えばスポーツ野球においても同様です。
初めて野球をする人が、いきなりホームラン狙いで打とうと意識すると大振りになってしまいかえって空振りが多くなるようなものです。

それは、正しいやり方(=フォーム)を理解していない、または、間違っているやり方をしてしまっているためです。
それなら、まずは正しいやり方(フォーム)を知ることが大切ということになります。
ホームランを打てる打力を鍛えるための基礎体力作りや筋力トレーニングも必要になります。

ですが、ランニングをしているときに、ホームランを打っている時のイメージをしながら走ったりはしないですよね。
地声を鍛える時も、女声という最終目標を特別意識する必要はありません。
むしろそれを意識しすぎると不要な力が入ったりしてしまいます。

段階を分けて考えるというのは要するにそういうことで、
高い声や女声を出す上ではどうしてもそういった考え方が欠落してしまいがちです。

ただ、こと女声については出そうとしている方が「理解していない」「分かっていない」というよりも、
正しいやり方をただただ「知らない」というだけだと考えていただいて問題ないです。

女声を上手く出せないのは、決して貴方(貴女)の取り組み方が悪いからではありません。
その点はご安心くださいね。

少し今回の内容は、実感という点では沸きづらいかもしれませんですがレッスンの段階をこなしていっていただければ、きっとお分かりいただけると考えています。
当の私も同じ道を歩いていましたから、その感覚についてはよく分かります。
そうは言われても難しいんだよ、そういう感覚になってしまうかもしれません。
ただその経験を私もしてきたからこそ、その感覚を払拭できるものだと考えています。

難しく感じた、という気持ちも記録として残しておいてあげても良いと思いますよ。

≪ 今回のまとめ ≫
✴︎ 女声を出すこと=最終目標
✴︎ いきなり女声を出すのは難しい
✴︎ 目標達成するために段階に切り分けて考える
→ 正しいやり方を知ることが大切